フォトコンテスト

2017年受賞作品

最優秀賞

【早暁】 大山 義広

【早暁】 大山 義広

小倉ヶ浜の朝焼けを捉えた作品です。
波の引いた後の水が創り出す造形美が繊細なタッチでしっかりと
表現されています。作者が被写体を見つめながら、
何に感動して撮影しているのかが写真から伝わってきます。
海辺全体の時間が一瞬止まったように光り輝き、
次第にオレンジ色に染まっていく様子が見事に美しく表現されています。

優秀賞

【大瀬川のあゆかけ】 児玉 美智子

【大瀬川のあゆかけ】 児玉 美智子

黄金色に染まっていく水辺で、アユ掛けをする人々の光と影のシルエット
が詩情豊かに表現されています。
小船と人物の配置も的確で構図も決まっています。
画面中央に沈み行く太陽の反射を入れることも大胆でいいのですが、
ただ光が強すぎて白飛びするというリスクもあるので、
細心の注意が必要です。

【祭りの終わりに】 古川 寿美

【祭りの終わりに】 古川 寿美

御田祭の本番を終えて、ほっと一息ついている雰囲気が写真から
伝わってきます。時にいい写真というのは本番が終わった後に、
突然やってくるものです。
いい写真を撮ろうと最後まで早乙女を追いかけた作者の努力が光る作品
です。赤を強調し彩度を上げた表現も状況に合っています。

【初夏の香り】 村田 隆敏

【初夏の香り】 村田 隆敏

ハスの花のアップと蜜を求めて戯れるミツバチとの間に何か不思議な
語らいが読み取れるような、優しいまなざしを感じる作品です。
ピンクの花びらの淡い描写とバックのグリーンが写真に安定感を与えて
バランスの良い深みのある作品に仕上がっています。

【倒木に宿る】 家森 忠雄

【倒木に宿る】 家森 忠雄

森の中を歩き、よく観察しなければ出会えない被写体です。
透過光による効果でキノコが白く透明に浮かび上がり、
キノコ同士が森の中で楽しく共存して生きているようで、
森のささやきまで聴こえてきそうな作品です。
光と影の露出や質感も上手く表現されています。

【笑顔 】 吉岡 憲生

【笑顔 】 吉岡 憲生

農作業中の女性の満面の「笑顔」は、長い人生の中で
間違いなく豊かな人生を生きてきた人だけが持つ表情です。
撮影者とのお互いの信頼関係がなければ撮れない作品です。
バックのトウモロコシ畑が写り過ぎているので、もう少し
バックをぼかした方が人物がより強調されたでしょう。
顔の部分も、今より半絞り明るいと女性の表情がもっと見えてくる
と感じます。

優良賞

【ひっそりと】 大出水 正

【ひっそりと】 大出水 正

緑のコケの上に散った小さな白い花が印象的で美しく
水の流れにも清涼感があり、5月という微妙な季節感が写真から伝わって
きます。白い花と緑のコントラストが的確な構図で切り取られています。
細部を見過ごさずに、白い花を見つめている作者の美学は確かなものです。
この感性は次の作品に必ず繋がると感じます。

【恵みの太陽】 石神 義男

【恵みの太陽】 石神 義男

このような写真の場合、空の部分を大きく入れるのが普通なのですが、
作者は空の部分を大胆にカットした思い切った構図で挑戦しています。
現実の空の美しさより、水面に映る空の美しさの方に作者はより惹かれ
たのでしょう。構図の素晴らしさで作者が何を伝えようとしたのかが
明瞭に伝わり、左上に1本だけある棕櫚の木も象徴的で、
全体を引き締める効果を出しています。

 【帰り道】 松本 伸男

【帰り道】 松本 伸男

まず「田の神さぁ」の表情の豊かさに驚きました。まるで意識を持った
存在であるかのような錯覚を覚えます。光の捉え方が上手く、少し暗い
中で後光が射したように、顔だけが明るく光るのも幻想的です。
自転車で横切る老人の「田の神さぁ」を見つめる表情にも懐かしさが、
感じられて独特の空気感があると感じます。

【吹雪く姫蛍】 津曲 英樹

【吹雪く姫蛍】 津曲 英樹

ヒメボタルの乱舞は幻想的であり、
無限の闇の中できらめく星を見るような、人の心をときめかせる
効果があります。まぎれもなく写真は美しいのですが、
前景の蛍の丸いボケが大きすぎて背景の木との遠近感が
平面的になり写真を撮る上で大事な奥行きが失われています。
次回は奥行きのある場所を探して撮影するともっと
素晴らしい写真が撮れるでしょう。

【生命のしずく】 河野 美香

【生命のしずく】 河野 美香

全体を包む淡いハイキートーンの質感に共感します。
この作品を少しでも暗くしていたら、
雨の日の爽やかさや微妙な空気感が表現できなかったでしょう。
バックの緑のボケ味も素晴らしく
カタツムリがくっきりと浮かび上がっています。
カタツムリの顔の上に付いた水滴や背後の光のボケ味も心地よく、
優しい音楽を聞いている時のような安らぎを感じます。

【黄金の収穫】 三好 啓司

【黄金の収穫】 三好 啓司

羨ましいほど最高に天気がいい日でしたね。
収穫を終え、天日干しする稲の穂、空にある真っ白な雲、
作者は人物の動きを観察しながら、
1番いいところでシャッターを切っています。
写真の色調も鮮やかでコントラストがあり、
色もしっかりと表現されています。
欲を言うと写真の右側と下部を少しトリミングすると
もっと安定感のある作品になったでしょう。

【日南海岸】 宮後 悟

【日南海岸】 宮後 悟

コントラストを強調することで、光り輝く海の力強さが
ドラマチックに表現されています。銀色に輝く海と七つ岩の島の黒い
シャドーが効果的です。一隻のヨットを入れることで画面全体に
安定感が生まれています。ちょっとしたことなのですが、
完成度を高めるために下部をもう少しトリミングすると、
もっと迫力のある作品になったと感じます。

【孤高のカメラマン】 山下 徹志

【孤高のカメラマン】 山下 徹志

見ているだけで冬の厳しさが伝わってくる作品です。
雪の色「白」のディティールも上手く表現されています。
木々の枝から今にも雪が落ちてきそうな迫力があります。
点景として、人物を入れることで森の大きさが判り効果的なのですが、
仮に人物の位置が右端であれば、もっとバランスの良い
広がりのある作品になったことでしょう。

【豊作を願って】 酒井 真吾

【豊作を願って】 酒井 真吾

御田祭のワンシーンです。まだ幼さの残る早乙女のまなざしがとても
印象的に写し出されています。
何処となくもの思う表情が切なく、写真から女性の心の動きまで
伝わってきそうな作品です。瞳にあるキャッチライトも強い印象を
与えています。きっと作者は繊細で感性の豊かな人だと想像します。

【蛍とぶ里】 鈴木 りえ

【蛍とぶ里】 鈴木 りえ

ゲンジボタルの乱舞を写した作品です。
小川が流れて風景に奥行きがあり、ホタルを撮影する場所としては
絶好の場所だと感じられます。
全体の色調である緑がかった深いブルーもよく調整されています。
ただホタルを撮影する場合、露出差のある空は
出来るだけ入れないようにした方が良いでしょう。
空があまり明るいとホタルの印象が薄れてしまいます。

経済連賞

【西陽を受けて】 茅野 京子

【西陽を受けて】 茅野 京子

冬の風物詩となる「大根やぐら」も外観の迫力とは対照的に内観からは生産農家の丁寧な作業に出会う事ができます。
降り注ぐ太陽と寒風が手伝う天日干し作業から生まれた漬物は、実は途方もなく贅沢な食べ物だと気付かせてくれる一枚となっています。
(経済連職員コメント)

【一休み】 米良 康雄

【一休み】 米良 康雄

五月雨の中、伸びた緑色の稲に一匹の蝶が留まり、その姿がタイトルのように「一休み」しているようです。蝶に雨を浴びた稲の緑が反射しているように見え、この時期にしか見られない自然が作る緑色のコントラストが美しいですね。このような自然があるからこそ豊かな食が得られると思うと、もっと自然を大切にしたいと思わせてくれる一枚です。(経済連職員コメント)

【源流より】 安藤 智保

【源流より】 安藤 智保

暗闇のなか優しく照らす竹灯籠が、上流から流れているかのような幻想的な雰囲気を感じました。高鍋城灯籠まつりの風物詩として、これからもこの情景を見続けていきたいと思う一枚です。(経済連職員コメント)

【豊作】 春口 五男

【豊作】 春口 五男

椎葉村の壮大な風景と、人の手が作り出した棚田の構造美が一体となった美しい構図の作品です。稲穂が黄金色に輝く秋の季節感と相まって、実りに対する感謝、そして代々受け継がれてきた棚田を守り続ける人々への敬意がわき上がってきます。(経済連職員コメント)

【祭の後継者】 上田 ひさ子

【祭の後継者】 上田 ひさ子

水田に牛と馬を入れて走らせ無病息災と五穀豊穣を祈願する田植え祭り。御田祭の牛の勇壮さと共に、牛の手綱を引く子供の真剣な眼差しが語り継がれた神事の威厳を感じさせます。また、それをサポートする父親の存在が、父から子への神話・神事の伝承を感じさせる一枚です。(経済連職員コメント)

【渓谷の秋】 稲田 義美

【渓谷の秋】 稲田 義美

私たちの生活に欠かすことの出来ない「水」。その水が紅葉とともに美しく渓谷を彩っている様子に目を惹かれました。また、日頃私たちが何不自由なく「水」を使えることの有難さを感じ、今後も大切に守っていきたいと強く感じる一枚です。(経済連職員コメント)

写真家 黒木 一明氏

JA宮崎経済連フォトコンテストにご応募を頂き誠にありがとうございました。
応募作品を見ると、緑なす森の豊かさ、川の流れの美しさ、青い空と海、耕された豊かな大地などが表現されていて、数え上げるときりがなく故郷の風景の持つ多様性にはいつも驚かされています。
今回もベテランの人から写真を始めて間もない人まで、多彩な内容で世代を問わず老若男女多くの方々にご応募いただきました。

多くの作品の中から選者は何を基準に優劣を決めていくのか、基本的なことを言えば、
第一に提出された1枚のプリントが「美しい色」をしているかどうかということです。

どんなに作品の内容が素晴らしい可能性を秘めていても、提出された1枚のプリントの質が悪ければ、そこで選外となってしまいます。
別の言い方をすると写真の基本である光と影が正しく表現されているかどうかということです。
次に感動の瞬間が的確に捉えられているかどうかということです。

撮影者自身の心情が写真を見る人に素直に伝われば、それは必ず人の心を動かす作品となります。
たとえば大山氏の作品「早暁」は自然の光と影が創造する繊細な色彩を氏の感性で豊かに美しく表現しています。
また吉岡氏の作品「笑顔」は人の心をひきつけるような飛び切りの笑顔が捉えれれています。
写真を見る方も何故か元気や希望をもらえる作品です。

フイルムからデジタル写真に移行した現在、多くの人たちがデジタル写真の奥深さを理解し始めています。デジタルの世界は可能性がまだまだ無限にあります。撮影した写真を自分で修正して自分の好きな色に変換できるということです。これはフイルム時代には考えられないことでした。
今は写真の可能性が格段に広がり、自分にしか出せない色を多様に表現できる時代です。
ようやく寒さも和らいで、花も咲き始め撮影テーマに事欠かない季節となりました。次回も沢山のご応募をスタッフ共々心よりお待ちしています。

                       写真家 黒木一明

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