
2013年第1回受賞作品
最優秀賞
『水行』中山 眞富
何かの神事でしょうか。
逆光の中で、水しぶきの飛び散る瞬間が巧みなシャッターチャンスで捉えられています。
写真の命である光と陰がうまく表現されています。
少しオーバー気味の露出がより光を感じさせ全体的に非常に透明感のある作品に仕上がっています。
優秀賞
『away』畑中 良和
2頭の馬が作者のカメラをじっと興味深げに見ています。
作者が馬を見ているのか
馬に作者が見られているのか
動物との無言のコミュニケーションを写真から感じます。
パステルトーンのムラのある壁の質感も今風で面白いです。
『宇宙』吉岡 憲生
ハスの花びらの持つ淡い質感とミツバチの飛翔する瞬間をうまく捉えてはいます。
ハチとハスの花の対比で宇宙を表現したいと考えるならば、それだけにテーマを絞り、もっと大胆に花に近づき、 高速シャッターを切っても良かったのではと考えます。
『水玉の宝石』横山 守
作者の感動が見る側に素直に伝わってきます。
撮影の時間帯が記されていないので想像でしかないのですが光に満ち溢れた朝の空気感が写真から伝わってきます。
人の心を幸せにしてくれる作品です。
『子供駅長』笹原 守
小さな駅長さんとどっしりとした赤い列車との対比がユーモラスに表現されています。
少年のお尻をちょっと突き出したような仕草にも何処となく愛嬌があり、ほのぼのとした穏やかな5月の風を感じます。
『暁の出漁』児玉 美智子
早朝の海の静かな佇まいがグレートーンの落ち着いた美しい色調で表現されています。水平線からのぞき始めた太陽も印象的です。
可能な限りスローシャッターにした方が波の描写などに流れが出て、もっと深みのある絵画的な作品に仕上がったはずです。
シャッタースピードと露出の関係は写真を撮る上で最も重要な要素の一つです。
優良賞
『昇陽の刻』青江 徹造
朝霧が立ち込めて何とも美しい光景です。
最高の風景写真をものにするためには眼前の風景から何を省き何を加えるのか、常に選択が求められます。
全体の色調表現は完璧なのですが、前景のシルエットの木の枝振りが気になります。望遠レンズを使用して太陽と山並みだけでシンプルにまとめても良かったような気がします。
『田植の頃』上原 ゆうこ
雨上がりでしょうか。
素敵な場所を見つけられましたね。
山に低く垂れ込めた雲の流れと水田のある風景は、まさに日本の原風景を感じさせてくれます。時が止まったようなしっとりとした午後の佇まいが写真から伝わってきます。
この風景を生かすための主役となる存在をもり込むと良くなると思います。
『健康祈願』大野 紘一郎
青島裸まいりのワンシーンだと思います。
1月の寒さの中、「健康祈願」とはいえ、白い波の立つ荒れた海に入るのは勇気のいることです。
人々の新年にかける祈りの気持ちや緊張感が写真から伝わってきます。
もう少し望遠系のレンズで被写体を引き寄せたら、もっと迫力のある写真になると思われます。
『モグリ橋』末岡 敏男
朝の通学途中の光景でしょうか。
朝陽に照らされた2台の自転車のシルエットが、素晴らしいシャッターチャンスで象徴的に捉えられています。
周辺光量の落ちたオレンジ色の色調も全体を幻想的にしています。
『奥山里のお花畑』小泉 洋
花の季節に誰もが一度は訪れてみたくなるような素敵な場所ですね。
周りには深い谷や山が迫り、空から降り注ぐ光も温かくて まさに桃源郷を思わせるような写真です。
カメラの位置を低くして、もう少し山の稜線を入れると奥山の雰囲気がもっと出たかもしれません。
『野山の宝石』谷村 龍生
写真のタイトルのように1粒のノイチゴが宝石のように光り輝いて見るからに甘くて美味しそうですね。
しっかりとマクロレンズを使用してバックのぼかし具合も良い感じでメルヘンの世界に仕上がっています。
『ザ・宮崎』前原 佑紀
映画のワンシーンのような南国宮崎を彷彿とさせる素敵な作品です。写真に若いエネルギーが透けて見えます。
作者はこの感性を大事にすれば、これからもっと上達する可能性を秘めています。
『師走まつり』鈴木 りえ
燃え上がる真っ赤な炎をバックにシルエットで浮かび上がる二人の子供たち。
火の勢いに迫力があり、見ているだけでこちらまで熱くなってきそうです。
バックの炎が画面全体に広がっていたらもっと完成度の高い作品になると思います。
『三連覇へ日々精進』長友 梨紗
口蹄疫からの復活、牛の優しいまなざし、餌をやる人の横顔にも明日への希望が感じられます。
思わずガンバレと応援したくなるような作品であり一方で見る人を励ましてくれる、心がほっとする作品です。
経済連賞
