
2010年第2回入選作品
最優秀賞
『望郷』大山 義広
幻想的な、不思議な色合いです。写真というよりは一枚の絵画を見ているような錯角を覚えます。東屋の内側から撮影することで、写真にする前に、すでに風景を額縁の中に閉じ込める効果を出しています。とても個性的で上品な作品です。
欲を言うと右端の柱からはみだしている風景は、柱ぎりぎりのところでトリミングすべきです。そうすればより完璧な作品になったはずです。
優秀賞
『春の丘』松尾 香代子
まず二人の子供の表情が生き生きと表現されています。子供たちのレンズを見つめる、ちょっと眩しそうな眼差しといい、半逆光ぎみに撮影した、手に持った桜の花も、光を浴びて白く浮かび上がり、春の光を上手く捉えています。
『滝の都』岩切 寿博
スローシャッターを効果的に使い、水の美しさを神秘的に表現することに成功しています。じっと見ていると、意識が森の奥へと吸い込まれていきそうになります。美しい作品です。作品は限りなく美しいのにタイトルの「滝の都」には疑問が残ります。
優良賞
『恋の季節』村田 隆敏
池の中にも物語があるのですね。タイトルを見てから写真をみると、二匹の仲の良いカップルを、後ろの鯉が本当に横恋慕しているように見えてくるから不思議です。
バックの一輪の花も効果的です。鯉と恋をかけた「恋の季節」なのですね。(笑)
『生駒高原ポピー』西村 廣子
花を見つめている作者の眼差しが写真から優しく伝わってきます。バックの美しい雲からは、季節の流れ、時の儚さを感じます。逆光気味で撮影したのが良かったと思います。花が透けて見え、写真に透明感があります。
画面全体のフレーミングもバランスがよく、 作者の感性の豊かさを感じます。
『花に魅せられて』黒木 通夫
色々工夫されて、自分だけの作品に仕上げようと努力されている様子が写真から伝わってきます。花の周りがソフトフォーカスになり、より象徴的に花を浮かび上がらせることに成功しています。心和む作品です。
経済連賞
