
2009年第1回入賞作品
最優秀賞
「帰り道」岩切 寿博
鉄橋という無機質な被写体を撮影しながら、温かみを感じさせ、夕陽と人物のシルエットを組み合わせることにより詩情豊かな作品に仕上げています。人物との対比として、鉄橋の上部に止まっている1羽のハトの存在がとても印象的です。このハトの存在が無ければ凡庸な表現に終わっていたと思います。
優秀賞
『夜明けの月』松本 伸男
作者の説明から「イチゴハウス」での撮影だと理解しました。人工的な光を当てられたハウスの中で、季節を忘れた真っ赤なイチゴが沢山実っていることでしょう。満月に浮かぶビニールハウスは未来都市にも見えてきて夜明け前の幻想をうまく表現しています。
優良賞
『シャンデリア』吉田 春勝
朝方、ぶどう棚に出来たツララの写真だと思います。青い空をバックに、透明なツララが光を浴びて、キラキラと宝石のように輝きまさにタイトルどおり「シャンデリア」のようです。シンプルな造形の美しさに惹かれます。
『芽生える』小野 冨子
色を抑えた渋い色調で、早春の森の繊細な空気感をうま捉えています。逆光で美しく表現されて、芽生えたばかりの新芽のささやきが今にも聞こえてきそうです。見る人に、生きることへの希望を、感じさせてくれます。
『春の息吹』村田 隆敏
山桜、桃、椿と混在している風景は、まさに春爛漫といった感じで、光と影のバランスもよく背景の黒っぽい照葉樹林が桜の美しさをいっそう際立たせています。画面手前左端の白い椿が中途半端に写りこんでいるのが気になります。
経済連賞
