
2013年第2回受賞作品
最優秀賞
『盛夏』竹田 幸清
ハスの花とミツバチの親密な関係性が窺(うかが)えてもはや現実を通り越して絵本の中に出てくるメルヘンの世界です。
逆光で撮影したことが成功のカギです。ハチの羽が白く浮かび上がり、透過光の美しさが際立っています。4匹のミツバチも的確なシャッターチャンスで捉えられています。
優秀賞
『クライマックス』中山 眞富
ダンスにかける若い女性の情熱と、はちきれんばかりのエネルギーが見る側に伝わってきます。
黒バックに人物が浮かび上がり、スタジオ撮影のような効果が出ています。それぞれの人物の表情も豊かで、シャッターチャンスも的確です。
『雄姿』末岡 敏男
臼太鼓踊りの白い衣装と堤防の緑が青空に映えて清々しく、写真に究極の透明感と清潔感があり、全体のピントも非常にシャープです。
臼太鼓踊りは被写体としては良く見かけるのですがこのようなアングルから撮影された写真は少なくそこに独特のオリジナリティーを感じます。
『燈篭流し』竹下 正美
全体的に写真のピントが微妙にぶれていることで、かえって燈篭の微妙な動きや川のゆっくりとした流れを感じることができます。
夜の幻想的な雰囲気の中で、作者は心の震えのような内面的な要素を表現しているかのようです。
『ナイスキャッチ!』黒木 男
凄い数のカモメですね。普通ではなかなか出会えない光景だと思います。カモメが漁師から魚をもらった瞬間が絶妙なタイミングで捉えられています。
夕方の赤い斜光も、作品に映画のワンシーンのような温もりと深みを与えています。
『五ヶ瀬川のあゆやな全景』児玉 美智子
一見、何の変哲もない風景なのですが、この空の青さがとても印象的です。写真を見ているだけで心がとても爽やかになります。
昔ながらのあゆやなと、背景の近代的な町並みとの対比も時代の流れを感じさせ、変遷する町の様子を伝える記録としても価値があります。
優良賞
『長ナス畑で』泥谷 祐一郎
「長ナスが牛の角に思えた子どもたち」とコメントにありましたが、本当に大きな水牛の角みたいですね。
子供の成長の記録を季節ごとに撮影しているお父さんの子供への愛情が、写真からひしひしと伝わってきます。楽しそうな子供の笑顔が最高です。
雪遊び』中武 健次
雪の中で寒さも忘れて、はしゃぎまわる子供たち。まるで「北の国から」を彷彿とさせるドラマの一コマのようです。
子供時代はあっという間に過ぎ去って行きます。家族の記念写真としてもグッドショットです。
『柿ちぎり』上米良 孝雄
今は軒先に柿の木がある素朴な風景は、めっきり見かけなくなったように思います。日本昔話に出てくるような、日本の原風景を感じさせるほっとする情景ですね。
柿を見上げる3人の仕草がちょっと滑稽に感じられ、笑いを誘います。
『味見』菊池 清美
愛らしくて、あどけない少女にとってきっとこの世界は不思議さで溢れているのでしょう。
子供の無邪気で純粋なまなざしを母親ならではの視点で上手く捉えています。まさに母親にしか撮れない写真であり両手の赤い浮き袋も夏の季節感がでていて効果的です。
『夕ぐれのひまわり』岩切 恵美子
超広角レンズで大胆にひまわりに迫り撮影しているところが素晴らしいです。思い切りの良さを写真から感じます。
太陽が沈む一瞬とひまわりとの組み合わせもバランスが取れています。逆光の使い方も上手く、花の生命感が力強く表現されています。
『さらば柿の木』谷村 龍生
道路に無造作に転がっている柿の実を拾おうとしている女性の仕草も何処かユーモラスで、作品の重要なポイントになっています。タイトルを読みながら写真を見ていると、なんだか楽しくなってくるから不思議です。写真を楽しんで撮るのはもとより、タイトルまでも楽しんでつけている作者のセンスは、只者ではないと感じます。
『大海の目覚め』河野 勝巳
写真になんともいえない情感がありロマンチックでちょっと切なくなる写真です。
左の細い枝で組んだオブジェもいいポイントになっています。
それにしても、この朝焼けのオレンジ色は圧巻です。
『盛夏』青江 徹造
大胆にひまわりの一輪にだけに焦点を当て、それを作品化するのは意外と難しいことなのですが、作者はピーカンの空の下、バックのコスモス畑をいいぼかし具合で表現しながら、上手くひまわりを浮き立たせています。作者は光の捉え方が上手く、特別な感性を感じます。
『水滴に映る』春口 五男
マクロレンズを使って撮影されたのでしょう。水滴の中に花が写りこんでいます。何気なく見ていれば見過ごしてしまいそうな風景を注意深く観察して撮影をしています。日常の風景がまるで違った異次元の風景に見えてくるのも、写真の楽しみの一つだと思います。中心部に水滴があるともっと良かったと思います。
経済連賞
