
2009年第3回入選作品
最優秀賞
『笑顔ちょうだい』大野 紘子
なんと味わいのある落ち着いた色調だろう。 撮る側と撮られる側の会話が、今にも聞こえてきそうなほどの、究極のシャッターチャンスで捉えています。カメラを構えた男性と、撮られる側の子供づれの女性との両方の思いを、少し引いたところから、客観的な視点で冷静に観察しているところが素晴らしい。
作者へのアドバイスとして、品格のある写真の美しさに対して、写真の題名があまりに安易すぎる気がします。
優秀賞
『見張番』歌津 賢治
暗雲立ち込める中、まさに「見張番」の案山子の表情が実にひょうきん面白い。 写真の題名「見張番」に反して、本当に見張ってくれるのかなぁ、と感じる案山子の表情の頼りなさがいい。
何よりウイットに富んだ作者の創造性が光っている作品です。
優良賞
『紅神輿』甲斐 隆昌
夕暮れの表現を微かに残しながらの、ストロボ撮影が上手い。この繊細な表現が、作品に奥行きを与えています。
祭りの熱気と人々の一瞬の躍動感が、 的確なシャッターチャンスで表現されています。
『草原の輝き』中原 秀則
作者からのコメントが一言「精一杯さきました。」と記してありました。極端に言うと、この一言に選者は感動したと言ってもいいでしょう。真っ白なユリの花を見つめる眼差しに、作者が何を伝えたいのかが、明快に伝わってきます。
『水遊び』岩切 望
奇をてらわない素直な感性。若さ、爽やかさを買いました。「学校で栽培しているトマトが、水遊びをしている兄弟のように見えました!」と添えられているコメントも素晴らしく、作者の作物(トマト)への限りない愛情を感じます。次回を期待します。
経済連賞
